Joseph Bell



シャーロック・ホームズのモデルとなった人物。エディンバラ大学の医学部主任教授で、ドイルの師である。
鼻が高く端正な顔立ちで、人を射るような灰色の目をしている。体は痩せていて細く、角張った肩、そして落ち
着きのない歩き方をし、声は甲高くて耳障りなほどだった。

ベル教授は外科医として優れた腕を持っていただけでなく、患者に対する観察力が極めて優れていた。
ベル教授が学生達の前で普通の服を着た外来の患者を診察した所、軍隊勤務をしていた事、除隊してから間もな
い事、任官将校だった事、スコットランド高地連隊に所属していた事、西インドのバルバトス諸島に駐屯してた
事などを次々と言い当てた。そして、ベル教授は学生達に向って説明をする。

「この患者は立派な感じの人であったが、帽子を取らなかった。軍隊では脱帽しないからだ。しかし除隊してか
ら長かったら、普通の市民の作法通り帽子を取ったはずである。態度には威厳があり、明らかにスコットランド
人。この患者の病症は像皮症だが、これは西インド諸島に特有のもので、我が英国に生ずる病ではない」…と。

こうしたベル教授が患者を診察する際に披露する独特の推理や、その学識にドイルは強く魅かれ、彼から多くの
事を学んだ。ホームズがワトスンと握手をしただけでアフガン帰りを見抜く場面や、ホームズが依頼人を見てそ
の職業等を言い当てる場面などは、このベル教授が患者に対して実際にやっていた事なのである。

コナン・ドイルとジョゼフ・ベルの運命的な出会いが、不朽の名探偵・シャーロック・ホームズを生み出したの
である。



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